
飼い犬を“鴨”と名付けたヘンテコ先生の『鴨先生』です!
15年以上のキャリアの中で、のべ1,500人の児童・生徒の育成指導に携わった『鴨先生』が、頑張るママの悩みに寄り添います。
あなたのお子さんは、かけ算九九を完璧に覚えていますか?
小学生の算数には、いくつか大きなヤマ場があります。
最初の大きなヤマ場は、足し算・引き算の繰り上がり、繰り下がり。
次の大きなヤマ場であり、しかも小学算数の最大のヤマ場が、実はかけ算九九なのです。
え?かけ算九九がヤマ場?
ただ覚えるだけなのに?
そう思う方も多いかもしれません。
事実、そうなのです。
ただ覚えるだけなのです。
なのに、そこでもし、つまずいたら…
恐ろしいことに、その後に出てくるどんな山も越えられない、という魔のヤマ場なのです!
かけ算九九は、保護者の関わりが顕著に表れるポイント

さらに恐ろしい事実をお伝えしましょう。
先生は、かけ算九九をどれだけ暗記しているかで、保護者の関わり具合を見ています。
子どもにただ
かけ算九九を覚えなさい!
と言っても無理な話。
多くの人が「ね、うし、とら、う…」とスラスラ言えるように、われわれ大人は、頭を使わずに九九を暗唱できます。
しかしそれは、8歳当時の自分が、自分自身に厳しく暗記させた訳ではないはずです。
かけ算九九を、毎朝100回言ってから学校へ行こう!
なんて自分に課せる小学2年生は、そういません。
かけ算九九の暗記は、保護者がどれだけ子どもの学習に時間を費やしているか、が問われるポイントなのです。

かけ算九九の暗唱テストは、多くの小学校で実施されている
かけ算九九は、学校の授業任せではとても暗記できません。
暗記の時間までは授業内に確保されていないのです。
学校がすることは、
〇月〇日に、かけ算九九の暗唱テストを実施するので、覚えておくように~
という告知のみ。
学校によっては校長先生の前での暗唱テストだったり、上がり・下がり・バラの3種類のテストを課して、『かけ算九九検定カード』を写真付きで発行したりと工夫しています。
それだけ、かけ算九九の暗記は重要だということ。
なのに、暗記自体は家庭に丸投げ状態なのです。
九九の暗唱テスト、○○君は受かったって!
△△さんはまだらしいよ
この時期は、こんな会話が子どもたちの間で飛び交います。
もちろん、家に帰ってからも、他の子どもたちの名前が出る状況になります。
他のご家庭にまでバレる訳だから…という訳ではありませんが、少し気になるのも正直なところ。
かけ算九九に関しては、『家庭での先取り学習で、丸暗記!』が基本だと肝に銘じておきましょう。

特に7の段以上が苦手な子どもが多い
学校では、
まず2の段を覚えましょう!
など、数の小さい段ごとに九九を覚えていきます。
当然のことですが、数字が大きくなるほど覚えづらくなります。
頭の中で暗算しながら言える数字でもありません。
そのせいか、7の段以降の暗記率がガクッと下がるのです。
なので、かけ算九九は丸暗記が必須。
ですが、その上で、例えば7×3(しちさん)と3×7(さんしち)の答えは同じように、小さい数字と大きい数字を入れ替えても実は答えが同じ、というのを早くから押さえておくのも、算数のつまずきを減らすポイント。
7×3=3×7、4×8=8×4など、数字を入れ替えても、かけ算の答えは同じ!!
そうすると、もしとっさにかけ算九九の一部が出て来なくても、数秒の遅れで答えを導き出せます。
さらには、『かけ算九九の暗唱テスト』ではなく『算数の文章問題を解く』場合などに、今後大いに有利になるのです。
かけ算が出来ない子どもに割り算は出来ない

かけ算をきちんと覚えていない子どもは、その後のどんな問題もつまずきます。
2年生も後半になると、すでにかけ算は以下のような応用問題になります。
おつりはいくらになるでしょう。
ここで問われているのは、かけ算九九を覚えているかどうかではありません。
『8×9+80』、さらに『200からその答えを引く』という設問の意味が理解できたかが問われているのです。
もはやかけ算九九でつまずいている場合ではないのです。
3年生になると、かけ算九九を覚えていない子どもは、もちろん、割り算の学習でもつまずきます。
3年生で出てくるのは、こんな問題。
・27÷9(余りのない割り算)
・27÷4(余りのある割り算)
これらを見ても分かるように、そもそもかけ算九九が頭に入っていないと、その後に出てくる問題はどうにもならないのです。
数字が小数になっても同じ。
分数の学習が始まった時には、もう壊滅的なつまずきになります。
図形の問題(例えば面積や体積)も、求め方は結局かけ算。
こう考えてみると、小学算数の中でかけ算がいかに重要かが分かると思います。

かけ算九九を覚えていれば、算数の苦手は減らせる!
ある児童の例を紹介します。
お世辞にも勉強が得意とは言えない小学2年生の男の子Kくん。

3月後半が誕生日なせいもあってか、成長が遅めの子どもでした。
しかし、小学校に入学した時にはすでに、ひらがなが50音すべて書けました。
算数は、足し算も引き算も文章問題も苦手でしたが、九九は誰よりも早く完璧に覚えていました。
そのからくりは、保護者の頑張り。
子どもの発達の遅れを心配した保護者が、授業で困らないようにと、入学前から頑張ったそうです。
そのおかげで、勉強全般は苦手なものの、家庭で力を入れてもらった部分(暗記すれば出来る部分)に関しては、学校で困ることはありませんでした。
算数全体のつまずきも、苦手ながら最低限で食い止められていたように思います。

もったいないのは、この逆のパターン。
解き方は分かるのに、ただかけ算九九がきちんと覚えられていないせいで、正解が導き出せない…
そうすると、自分は算数が苦手だ、出来ない、と思い込んでしまう…
残念な事例だと思います。
子どもが算数自体に苦手意識を持つ前に、暗記が必須な部分は、早め早めに暗記させてしまいましょう。

かけ算九九の覚え方に近道はない

最後に、かけ算九九の覚え方、つまり子どもに暗記させる方法をご紹介しますね。
と言っても、残念ながらこればっかりはどんな近道もありません。
ただひたすら、言って覚える。
頭ではなくて口で覚える。
これに尽きます。
子どもが小学2年生になったら、こんなコミュニケーションを取り入れてみてください。
じゃあ九九を言ってから、お風呂を出よう!
スキマ時間に「次は6の段!」などと声を掛け、生活の中で無理なく暗記練習を取り入れるのがおすすめ。
子どもと顔を突き合わせて暗記練習をガッツリしても、子どもは頭がパンクしてしまうだけ。
一度やっただけでは覚えきれないのです。
それよりも、保護者の負担にならないようなスキマ時間でいいのです。
ご飯を作りながら、子どもが暗唱しているのを聞いていればいいのです。
運転しながら、子どもが頑張るのを聞いていればいいのです。
例えばこんなスキマ時間を利用してみてください。
- 【スキマ時間学習のタイミング】
・「行ってきます」と出かける前
・入浴中
・食休み中
・「おやすみなさい」を言う前
・テレビのCMの間
・習い事へ行く送迎の時
ママやパパが聞いている、それだけで子どもは頑張ります。
ぜひ、ちょっとしたタイミングにはかけ算九九を言わせる!そんな家庭での習慣を作ってみてください。
気付いたら、すっかりかけ算九九をマスターしているはずですよ!
まとめ かけ算九九を制する者は小学算数を制す!

ここまでお話したように、小学算数のポイントは、足し算や引き算ではありません。
足し算や引き算は、発達の課題があったとしても、多くの子どもが早かれ遅かれマスターできます。
ただ、かけ算九九は、どんな子どもでも、一定量の努力が必要。
算数が得意な子どもでも、頑張らないとつまずきポイントになります。
逆に、算数が苦手な子どもでも、頑張れば得意分野になり得るのです。
小学算数における最大のヤマ場をヤマ場と認識せずに乗り越えることがポイント。
これは、大きな成功体験に繋がります。
ぜひ、学校でかけ算九九のテストが始まる前に、子どもにかけ算九九を覚えさせてあげましょう。
『かけ算九九を制する者は小学算数を制す』です!
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