【小2算数】子どもの時計の読み間違いパターン、この中のどれ?

飼い犬を“鴨”と名付けたヘンテコ先生の『鴨先生』です!
15年以上のキャリアの中で、のべ1,500人の児童・生徒の育成指導に携わった『鴨先生』が、頑張るママの悩みに寄り添います。

課題への取りかかり、始めてからの集中力…どうしてこんなにも、子どもによって違うのでしょう。

毎日、何十人もの子どもたちを目の前にしていると、驚くほど、それぞれの子どもたちの時間の使い方が違います。

あなたのお子さんは、『時間が経過する』感覚、つかめていますか?

時間を味方につけるのは、生きる力になる

時刻が分かる、時間の経過が分かる、というのは生きる力につながります。

唯一、世界中の人が平等に与えられているものが、時間経過のスピード。

遺伝もお金も関係ありません。

つまり、時間だけは、親が子どもに与えてあげられないモノなのです。

子ども自身の力で、いくらでも有意義に使えますし、逆にいくらでも無駄に出来ます。

なので、時計が読めるだけでなく、『時間の経過を肌感覚でとらえる』というのは、子どもの頃に自然に身に付けておきたいスキルです。

時間の概念がそもそもない子どももいる

とある小学1年生の男の子に尋ねてみました。

朝、何時に起きているの?

えっと…12時くらい?

朝ご飯は何時に食べるの?

ママが起きた時間かな

給食はいつも何時に始まるの?

給食の時間になったら食べるんだよ

信じられますか?

当たり前のようにこんな返答をする子どもがたくさんいるのです。

毎日家族と一緒に生活をしていても、子どもによっては、時間というものが生活の中に根付いていないのです。

赤ちゃんならまだしも、1時間目、2時間目、業間休み…など、毎日を決まったタイムスケジュールで過ごす小学生になってもこの状態では、少し心配。

学校という組織に所属していると、クラスのみんなと何となく同じように行動していれば、自分だけ間違えたり困ったりすることはありません。

きっとそういう子は、お腹がすいても「お腹がすいたな」と思うだけ。

時計を見て、

あと1時間半で給食だ~

という考えにはならないのでしょう。

もし、こんな風に考えられたら、しめたもの!

時計が読めるということは、『先の見通し』が立つようになるということなのです。

小学1年生の算数で時計の読み方が出てくる

小学1年生の後半になると、算数で時刻を読む問題が始まります。

.〇時というピッタリの時刻を読む問題
2.〇時30分を読む問題
3.〇時5分、〇時10分、〇時15分…のように、5分毎の区切りで読む問題
4.〇時〇分を正確に読む問題

学習の大まかな流れはこんな感じ。最後にようやく正確な時刻を読みます。

これが最初の方でつまずいた場合、時刻を正確に読むことが出来ません。

間違えるパターンとして多いのが、

長針と短針ともに大きい数字を読む

(例)長針が10で短針がほぼ3の場合、10時3分と答える(正解は2時50分)

長針と短針が何を意味するか分からない

(例)短針がほぼ11で長針が1の場合、55時1分と答える(正解は11時5分)

短針が数字と数字の間にある時、前の数字を読むことが分からない

(例)9時30分の場合、それが9時30分だか10時30分だかわからない

〇時59分などの場合、短針を次の時間で読んでしまう

(例)12時59分の場合、短針が1に近いために1時59分と読んでしまう

こんな感じです。

お子さんがどういう間違い方をしているのか、つまずきポイントはどこなのかに気付いてあげると、正解に導くことが出来ます。

ただ、「何をどう間違えたら、この答えになるのだろう…」と探るのは、大人には逆に難しいなぞなぞなのです!

小学2年生で、時間の経過が問われる

1時間=60分が分からない

なんとか時計を読めるようになっても、『時刻』と『時間』は違います。

1年生で習ったのは『時刻』ですが、2年生になると『時間』を学習するのです。

1時間が60分であることがまずわからないと、時間と分の関係の問題で苦労することになります。

(例1)1時間50分=〇分?という問題で、150分と答えてしまう

(例2)90分=〇時間〇分?という問題で、9時間0分と答えてしまう

3時00分から30分後は分かっても、2時15分から30分前は難問

時間の経過を問われた場合、ちょうど〇時という境目をまたいでしまうと、お手上げになってしまう子どもも多いです。

さらに、こういった問題は、時計の絵を見て答える場合と、文章で問われる場合があります。

どちらにせよ、時計の針の進み方を理解していないと、どうにもならない問題です。

さらに、2時と2時間の違い、さらには2時間後の違いも出てきます。

ここまで来る前に、『時刻』と『時間』の感覚を理解しておく必要があります。

『午前・午後』も大きなつまずきポイント

午前と午後の理解は、思っているより難しい

「お昼が正午、それより前が午前、正午より後が午後」

これをきちんと理解している小学生が、どれくらいいるでしょうか…。

そのくらい、午前と午後については小学生には難問です。

しかし、算数の問題では、出てきてしまうのです。

カナト君は午前11時に家を出て、2時間後に動物園につきました。

動物園についた時刻は何時ですか。午前・午後を用いて答えなさい。

こんな感じ。

学校での生活を含めて、日常の会話で午前・午後を使うことも、私たち大人でさえ多くないですよね。

店舗の営業時間、予約の受付時間など、情報として目にすることはあっても、口に出して使うことは多くないように感じます。

ましてや、子どもと話す時は、分かりやすい言い方で話しますよね。

もしかしたら、そういった大人の配慮が、子どもの学ぶ機会を奪っているのかな…なんてふと思ったりします。

午後2時から5時間後は出来ても、午後2時から5時間前は難問

午前と午後が切り替わる時間経過は、小学生にとっては難問です。

午後2時から5時間前なんて引けないよ!!

となる訳です。

う~ん、2-5は無理だな、と思ったのでしょうね。

時間の経過が分かるって、こういうことですよね。

生活の中で時間の感覚を覚えさせよう

「早くしなさい」とか「もう寝なさい」って言っていませんか?

最近は、スマホやテレビ画面の時刻表示など、ほとんどデジタルですよね。

多くの家電製品にも時刻表示がありますが、アナログ時計の表示はほとんど見かけません。

もしかして…自宅に時計がなくて、「アレクサ、今何時?」なんて聞いている家庭も、実は少なくない時代なのでしょうか??

できれば、家庭にアナログ時計を置いて、子どもと一緒に時刻を確認することを習慣にしてほしいです。

つい、

早くしなさい!

もう寝なさい!

こんな声掛け、しちゃっていませんか…?

せめて、時間もふくめて、

もう9時だから寝ようね

といった言い方にしたいですね。

時間を使って子どもとの約束をしてみよう

時刻が読めなくても、時間の経過を意識するのは大切なこと。

まだ時計が読めないうちでも、

今、長い針が8のところにあるから、10のところに来たらおやつにしようね

など、言い方を工夫してみましょう。

ゲームは8時から8時半までの30分間ね!

9時までに布団に入る約束ね!

時刻が分かるようになったら、こんな風に、時間を使った約束を子どもと作ってみるといいですよ!

身近な話題で60進法の理解をうながそう

10進法しか知らなかった子どもたちが、違う世界に飛び込む瞬間が、時計の問題です。

時計は、59の次がどうして0なの!?

そんな子どもの驚きは、私たち大人にはもう理解できませんが、会話の中でだんだんに理解できるように、身近な話題で取り入れましょう。

例えば、

ゲームは30分間、テレビは50分間OK。
さて、全部でどれくらい?

こんな会話を家庭でしてみましょう。

もしお子さんが80分と答えられたら、さぁ、もう一歩!

これを、

80分よりは1時間20分の方が分かりやすいよ!

60分ごとに1時間に直してごらん

と伝えられれば、バッチリです!

秒の感覚は、体感でつかもう

3年生になると「秒」についても学習します。

ゲーム感覚で、

何秒間、息を止めていられるかな?

などの遊びを取り入れ、秒の感覚も体感で覚えられるといいですね。

50メートル走のタイムの話題などは、秒の感覚を身に付けるのにはうってつけだと思います。

おわりに

生活の中で自然と時計を見る癖をつけたり、時間の経過を肌感覚で覚えることは、時の流れを意識できるということ。

生きる力につながります。

忙しい合間でも、家庭での声のかけ方を工夫することで、普段から「時刻」や「時間」に対する意識づけはじゅうぶん可能なはず。

時刻や時間を教える時は、ただその読み方の規則性を教えるしかないのです。

だからこそ、日常の色々なタイミングで、時間の感覚に対する意識づけをするべきです。

まずは私たち大人が、あらためて「時刻」や「時間」を意識して過ごす、そしてそれを家族と共有する、そんなところから始めてみませんか。

お子さんの教育やしつけで悩んでいたり、困っていることはありませんか?
トップページのお問い合わせから、お気軽にご相談ください。
鴨先生は、悩めるママの味方です!!